どうも、おおかみです。
今回の分野は経営戦略マネジメントになります。
ITパス試験ではSWOT分析とPPM(Product Portfolio Management)の出題が多いですが、
最近ではマーケティングミックスの内容も出題されている印象があります。
経営戦略マネジメントは企業の経営方針や競争戦略、市場分析、組織管理をマネジメントする分野となります。
起業を考える中でこの知識を持つことは自分の強み、弱みから方針、ニーズを把握し効率的にリーチできると思います。
1. 経営戦略とは
経営戦略とは、企業が成長し、競争優位性を確立するための中長期的な計画のことです。企業の方向性を決定し、資源を適切に配分することで、持続可能な成長を目指します。
SWOT分析
SWOT分析(スウォット分析)とは、企業や事業の**「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」**を分析し、戦略立案に活用するフレームワークです。マーケティング戦略や経営戦略の立案に役立つ手法として、多くの企業が活用しています。
特に、SEO(検索エンジン最適化)の戦略立案においても、SWOT分析を活用することで、競合との差別化や市場での優位性を見出すことが可能です。
SWOT分析の4つの要素
1. 強み(Strengths)
内部要因として、自社の競争優位性や独自の強みを分析します。
例:
- 高品質な商品やサービス
- 強いブランド力
- SEOに強いコンテンツ(高品質な記事、被リンクが多い など)
2. 弱み(Weaknesses)
自社の課題や改善すべきポイントを洗い出します。
例:
- 競合と比較してサイトのドメインパワーが低い
- キーワード選定が適切でない
- モバイル最適化が不十分
3. 機会(Opportunities)
市場や業界の変化によって得られるチャンスを特定します。
例:
- 新しいSEOアルゴリズムのアップデートが自社に有利に働く
- SNSからの流入が増加している
- 競合が手をつけていないニッチなキーワードがある
4. 脅威(Threats)
外部環境の中で、ビジネスの成長を阻害するリスクを特定します。
例:
- Googleのアルゴリズム変更による検索順位の低下
- 競合サイトの台頭
- 広告費の高騰
PPM(Product Portfolio Management)
Product Portfolio Management(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント, PPM)とは、企業が複数の製品やサービスを戦略的に管理し、利益の最大化や市場競争力の向上を図る手法です。PPMは、各製品の市場での位置づけを分析し、リソースの適切な配分や事業成長の戦略を策定するために活用されます。
特に、デジタルマーケティングやSEO戦略においても、効果的なPPMは重要です。検索トレンドや競合分析をもとに、どの製品を強化すべきか、どの市場に新たに参入すべきかを判断する材料になります。
Product Portfolio Managementの重要性
1. 収益の最大化とリスク分散
企業は、多様な製品を持つことでリスクを分散し、収益の安定化を図ることができます。売上が伸び悩む製品があっても、他の製品でカバーする戦略を取ることが可能です。
2. 効果的なリソース配分
PPMにより、利益率の高い製品にリソースを集中させたり、市場成長が見込める分野への投資判断を的確に行うことができます。
3. 競争優位性の確立
市場の動向を分析し、競争力のある製品を強化することで、競合との差別化を図れます。特にSEO対策においても、ユーザーの検索意図に基づいた製品戦略が重要です。
Product Portfolio Managementのフレームワーク
1. BCGマトリックス
PPMの代表的な分析手法として、**BCGマトリックス(ボストン・コンサルティング・グループ・マトリックス)**があります。
BCGマトリックスでは、製品を以下の4つのカテゴリに分類します。
- スター(Star): 市場成長率が高く、市場シェアも高い製品(積極投資が必要)
- 金のなる木(Cash Cow): 市場成長率は低いが、高い市場シェアを持つ製品(安定した収益源)
- 問題児(Question Mark): 市場成長率は高いが、市場シェアが低い製品(成長のための戦略が必要)
- 負け犬(Dog): 市場成長率・市場シェアともに低い製品(撤退やリソース再配分を検討)
2. GEマッキンゼーマトリックス
PPMのもう一つの代表的な手法が、GEマッキンゼーマトリックスです。
「市場の魅力度」と「事業の競争力」の2軸で製品を分類し、成長戦略を決定します。
SEOにおけるSWOT分析の活用方法
- 強みを活かしたSEO戦略を立てる
- 自社の得意分野を活かし、高品質なコンテンツを制作
- 権威性のあるサイトからの被リンクを増やす
- 弱みを改善し、SEO対策を強化
- サイトスピードの改善やUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上
- 競合分析を行い、適切なキーワード戦略を練る
- 機会を活かして新たな市場を開拓
- 伸びている検索トレンドや新しい検索クエリに対応するコンテンツを作成
- SNSとの連携を強化し、トラフィックを増加させる
- 脅威を予測し、リスク対策を実施
- Googleのコアアップデートに備えて、検索エンジンに依存しすぎない集客戦略を考える
- 競合の動向を定期的にチェックし、対策を講じる
経営戦略の階層
- 企業戦略(コーポレート戦略)
- 企業全体の経営方針を決める。
- 例:多角化戦略、集中戦略、撤退戦略 など。
- 事業戦略(ビジネス戦略)
- 各事業部門における競争戦略を決める。
- 例:コストリーダーシップ戦略、差別化戦略 など。
- 機能戦略(ファンクショナル戦略)
- マーケティング、財務、人事、IT など各機能ごとの戦略。
- 例:ブランド戦略、販売促進戦略 など。
2. 競争戦略
ポーターの3つの基本戦略
- コストリーダーシップ戦略
- 低コストで製品・サービスを提供し、価格競争で優位に立つ。
- 例:ユニクロ、Amazon など。
- 差別化戦略
- 他社にはない独自の価値を提供し、ブランド力を強化する。
- 例:Apple(デザイン・ブランド力)、スターバックス(顧客体験の差別化)。
- 集中戦略(ニッチ戦略)
- 特定の市場セグメントに特化し、競争力を確保する。
- 例:ロレックス(高級時計)、フェラーリ(高級スポーツカー)。
3. マーケティング戦略
マーケティングは、企業が顧客のニーズを満たし、利益を上げるための活動です。
マーケティングの4P(マーケティング・ミックス)
マーケティングの基本概念として「4P」があります。
- Product(製品):製品・サービスの品質、デザイン、機能 など。
- Price(価格):販売価格、価格戦略 など。
- Place(流通):流通チャネル、販売方法 など。
- Promotion(販売促進):広告、キャンペーン、PR活動 など。
STP分析
市場を分析し、ターゲットを決めるための手法です。
- S(セグメンテーション):市場を細分化する。
- T(ターゲティング):ターゲット層を決める。
- P(ポジショニング):競合との差別化を図る。
4. 経営分析(財務・会計)
企業の経営状態を分析するための指標が多数あります。試験では、以下の財務指標がよく出題されます。
財務指標
- 収益性指標
- ROE(自己資本利益率)=純利益 ÷ 自己資本 × 100
- ROA(総資産利益率)=純利益 ÷ 総資産 × 100
- 安全性指標
- 自己資本比率=自己資本 ÷ 総資本 × 100
- 流動比率=流動資産 ÷ 流動負債 × 100
- 効率性指標
- 売上高回転率=売上高 ÷ 総資産
5. 組織マネジメント
企業の組織運営や人材管理に関する知識も試験範囲です。
組織の形態
- 職能別組織:職能(営業、開発、経理など)ごとに組織を編成。
- 事業部制組織:事業ごとに独立した部門を持つ。
- マトリックス組織:複数の指揮命令系統を持つ。
(2)リーダーシップ理論
- PM理論(目標達成能力(P)と人間関係能力(M))。
- 変革型リーダーシップ(ビジョンを示し、変革を促す)。
- サーバントリーダーシップ(部下を支援し、成長を促す)。
事業戦略の用語
KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)
KPIとは、企業の目標達成のための進捗を測定するための指標のことです。
例: ECサイトの売上向上を目指す場合、「月間売上額」や「コンバージョン率」がKPIとなる。
- 定量的に測定できる指標(数値化できる)
- 目標達成度を評価するために設定
- CSFと関連する
CSF(Critical Success Factor:重要成功要因)
CSFとは、企業が目標を達成するために特に重要な要因のことです。
例: ECサイトの売上向上を目指す場合、「ユーザーの利便性向上」や「広告戦略の最適化」がCSFとなる。
- 企業の成功に不可欠な要素
- KPIを設定するための基準
- 定性的な要素が多い
🔗 CSF → KPIの関係
「CSF(成功のために必要な要素)」を具体的な「KPI(測定指標)」で評価する。
BSC(Balanced Scorecard:バランスト・スコアカード)
BSCとは、企業の業績を多面的に評価するための管理手法で、以下の4つの視点でバランスよく目標を設定する。
- 財務の視点(利益やコスト削減など)
- 顧客の視点(顧客満足度やブランド力など)
- 業務プロセスの視点(業務の効率化や品質管理など)
- 学習と成長の視点(社員のスキル向上やイノベーションなど)
- 短期的な財務指標だけでなく、長期的な成長要素も考慮
- KPIやCSFと組み合わせて使われることが多い
経営管理システムの用語
1. ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)
企業の経営資源(人・モノ・金・情報)を統合的に管理するシステム。財務・会計・生産・販売・人事などの業務を一元管理し、業務効率を向上させる。
- 部門ごとの情報を統合し、リアルタイムで共有
- SAP、Oracle ERP、Microsoft Dynamics などの製品が有名
- 業務の効率化や意思決定の迅速化に貢献
2. SCM(Supply Chain Management:供給連鎖管理)
原材料の調達から生産・物流・販売までの流れを最適化し、コスト削減や納期短縮を実現するシステム。
- 「供給(サプライ)チェーン全体」を管理
- 在庫削減や需要予測の精度向上に貢献
- トヨタの「カンバン方式」などが有名な事例
3. CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
顧客情報を管理し、長期的な関係構築を通じて売上向上を目指すシステム。
- 顧客データを分析し、マーケティングや営業に活用
- 「LTV(顧客生涯価値)」を向上させる
- Salesforce、HubSpot などが代表的なCRMツール
4. BI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)
企業のデータを収集・分析し、経営判断を支援するシステム。
- データを可視化し、意思決定をサポート
- ダッシュボードやレポート機能を活用
- Power BI、Tableau などのツールが有名
5. BPR(Business Process Reengineering:業務プロセス再設計)
既存の業務プロセスを抜本的に見直し、大幅な業務改善を行う手法。
- 既存の業務フローをゼロから再設計
- ITを活用した業務改革(例:紙の書類をデジタル化)
- リストラや組織改編を伴うこともある
試験対策のまとめ
用語 | 概要 | 目的 |
---|---|---|
ERP | 企業資源を統合管理 | 業務効率化 |
SCM | 供給連鎖を最適化 | コスト削減・納期短縮 |
CRM | 顧客情報を管理 | 売上向上・顧客満足度向上 |
BI | データ分析による意思決定支援 | 経営判断の強化 |
BPR | 業務プロセスを抜本的に見直し | 業務改革 |
まとめ
ITパスポート試験の経営戦略マネジメント分野では、経営戦略、競争戦略、マーケティング、財務分析、組織マネジメント、知的財産などの幅広い知識が問われます。
これだけでもかなりのボリュームになっていますが押さえるべきところを重点的に
覚えることで得点を得る事ができると思います。
では!
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